サニーバンクのワーカーさんへのおてがみ
2020年9月1日| memo accessibility
ワーカーさん宛のメールにいろいろ書きたくなったけど、めっちゃ長文になりそうだったのでやめたけど、なんかやっぱり伝えたいのでここに書くことにした。
全盲で、スクリーンリーダーユーザーでもあるワーカーさんからいただいたメールに返信する時、とっても明るくて前向きで、元気をもらったのもあって、 私のこととか、私が思うこととかをつらつらと伝えたくなりました。
でも、長すぎだし、一方的だし、こんなの送ったらびっくりされるかなと思ったし、書きかけていたけれど消して、用件だけ返信しました。
でもやっぱり、サニーバンクのウェブアクセシビリティ基礎診断をやってくださるワーカーのみなさんに伝わるといいなと思って、ここに書くことにしました。
ここから、おてがみです。
ウェブアクセシビリティをやっていて、目で見てウェブを閲覧するのとスクリーンリーダーで閲覧するのとで、 得られる情報が大きく違うウェブページ、ウェブサイトに出会うことがあります。
マウスだと使えるのに、スクリーンリーダーやキーボード操作だと使えないフォームやボタンとか、 何言ってるのかわからないテーブルとか、困った経験がある方も多いのではないでしょうか。
私はもともと公的機関のウェブサイト担当課で働いていたので、 災害・防災情報や行政の手続き関係など、生命財産に関わる情報は特に、大切な情報が、閲覧環境によって伝わらないことがないようにと取り組んでいました。
今は、利用者や利用環境によって、得られる情報や体験の差をできるだけなくして、見える人見えない人、様々な環境で閲覧する人みんなが、
同じものを同じように楽しめるようになるといいなと思っています。
(ウェブ以外のものも一緒に楽しめるとうれしい。)
もちろん、全く同じにはいかないこともあると思うけれど、とにかく一緒に楽しみたいんですよね。
だけど、マウスと目で見て作っている制作者側は、そういう情報や体験の差に気づいてないことが多いんです。
サニーバンクのウェブアクセシビリティ基礎診断では、実際に利用した当事者の方の声を伝えることができるので、とてもいいなと思っています。
スクリーンリーダーなどの支援技術を普段から使っていることが強みになります。
視覚障害に限らず、障害があるからこそ指摘できることもあり、みなさんのレポートを見ていて、はっとすることも多いです。ほんとうにすごいなと思います。
「障害者対応」って言い方は嫌いなんですが、実際、障害のある方にとってよくすることで、障害のない方にとってもよくなることが多いです。
なので、みんなにとって使いやすくなるんだと思って、気付いたことを教えて欲しいです。
サイトによっては診断が苦痛に感じるページもあると思います。
複雑なサイトの診断は、スクリーンリーダーでもそうですが、弱視の方も無理して目を酷使してしまったり、発達障害のある方はページによっては不安な気持ちになったり、ときには恐怖を感じたりなど、精神的なダメージがあることもあるみたいです。
そういう辛いところは、無理しなくていいです。基礎診断では、その「辛かった」ということをレポートしてもらえたら、そして可能なら、どこが、何が、どう辛かったのか教えてもらえたら助かります。
あと、スクリーンリーダーでウェブサイトを閲覧していて、よくわからないところ、困ってしまうところは、私に聞いてもらえたら嬉しいです。
スクリーンリーダーで困っているところを教えてもらって、私が見て、どうなっているのか、何が問題なのか知ることは、私にとって、とても勉強になります。
もしそれで、困っていることが解決できたり、もやっとしたところが解消するなら、嬉しいです。
なんかつらつらと書きましたが、たくさんの方にサニーバンクのウェブアクセシビリティ基礎診断を利用していただいて、みんなで楽しめるサイトがどんどん増えて、アクセシビリティが広まると嬉しいなと思っています。
どうぞよろしくお願いします。
今日のいちまい

8月最終日の空。暑いのは嫌いだけど、夏の青背景に白いもくもく雲の空は好きです。